※ 国宝第一号の聖林寺(桜井市)十一面観音立像や、国宝興福寺の阿修羅像も『乾漆』で作られています。
※ 非常に高度な技術を要するため、製作には約半年(6ヶ月程度)お時間を頂戴します。
この写真の像は、飛鳥・奈良時代に多く用いられた、乾漆という技法を使って作成されます。乾漆とは、漆を沁み込ませた麻布を型の上に何重にも覆い固めて成形していく技法で、彫像や鋳像よりも軽くて劣化しにくいという特徴があります。この乾漆技法を使った主な仏像としては、
◆脱活乾漆造の乾漆仏
東大寺法華堂(三月堂)不空羂索観音立像、梵天・帝釈天立像、四天王立像、金剛力士・密迹力士立像
唐招提寺金堂 本尊盧舎那仏坐像
唐招提寺 鑑真和上坐像
当麻寺 四天王立像
興福寺 八部衆立像(阿修羅像含む)
興福寺 十大弟子立像
葛井寺(大阪) 千手観音坐像
◆木心乾漆造の乾漆仏
唐招提寺金堂 千手観音立像、薬師如来立像
聖林寺(奈良) 十一面観音立像
観音寺(京都) 十一面観音立像
興福寺北円堂 四天王立像
◆木彫に木心乾漆技法併用の乾漆仏
東寺講堂 五大菩薩像
観心寺(大阪) 如意輪観音坐像
神護寺 五大虚空蔵菩薩坐像
などがあり、非常に高度な技術を必要とし手間もかかるため、現在日本でこの技法が使えるのは、本作者を含めて 5人程しか存在しません。
作 者: 仏師 宮澤昌輔氏
【乾漆 笛吹像(額付き)】
(奈良東大寺大仏殿前の「八角燈籠」笛吹像模写)
【乾漆 三尊像】
縦 43cm × 横 29cm(本体)
縦 27cm × 横 22cm